Fouxがいなければ食生活も変わってない|DALUインタビュー#4

Project2」のテーマである“Healthy Junk”の精神をもとに、ゲストに潜む相対する中身、二面性にフィーチャーしていく特別インタビュー。

 

6月に前作から1年半ぶりのアルバム『Unbirth』をリリースしたラッパーDALUNormcore Boyzを経て、Tokyo Young Visionのフロントマンとしても注目を集める彼にフォーカスを当て、深掘りしていく。

 

インタビュアーを務めるのは、自身のYouTubeチャンネルを中心に、HIPHOPとファンションカルチャーにまつわる情報を発信しているレイ。

 

最終回は、Tokyo Young Visonのメンバーについて、そして今後の野望とプロデューサーへのリスペクトを語ってもらった。

 

 

NORIOが「弟子を入れたい」と言い出して

 

レイ:いま所属しているTokyo Young Visionはどういったクルーなの?

 

DALU:実は俺も途中参加なんです。先代から引き継がれている東京の老舗クルー。前はラッパーだけじゃなくて彫り師もいたし、スケーターもいたし、もうちょいラフでザックリしていて。代々木公園でサイファーをするために集まっていた人たちが、徐々に「チームとしてやろうぜ」みたいになってできたのがTokyo Young Visionだったみたいで。

 

レイ:初期メンバーって誰がいるの?

 

DALU:俺が知っている限りでは、WenyHideyoshiVingoくん。でもまあ、Vingoくんは途中でBADHOPにいっちゃって、そこからちょっとときが経って俺がもともとやっていたNormcore BoyzがそのままTYVに全員入った。Hideyoshiが近くにいたから、どこかのタイミングで「お前らもTYV入れよ」みたいな感じで。

 

レイ:そんな軽い感じなんだ。

 

DALU:ちょっと考えたとは思うけど、サラっと入った気がする。TYVに所属しているけど俺らは俺らでずっとやってたんだけど、いろいろなことがあってNormcore Boyzが活動休止になったから、残った俺らがソロとしてやりつつTYVもグループとしてやっていこうっていう感じだね。

 

レイ:新しいメンバーも入ったんでしょ?

 

DALU:いま俺の全国ツアーを一緒に回ってるDJのレントは、普段は美容師もやっていて。その下に最年少のルークっていうDJも入ったのよ。21歳で、メチャメチャDJ上手いの。

 

レイ:上手いよね。ルークはバイブスがDALUに似てない?

 

DALU:似てるよ(笑)。昨日も夜中「DALUくん、お台場に行くから会って」つって、朝まで一緒にいたからね。そのぐらい最高。あとラッパーのAsiff。俺と同い年で今年26歳かな。AsiffはもともとHideyoshiと同じスニーカーショップで働いていて。

 

レイ:Asiffくんはずっとラッパーをやっていたの?

 

DALU:ずっとやってた。だけど界隈が違って、地元が世田谷のほうだからそっちでやっていて。だけどプライベートで普通に遊んでいて、今後もっとみんなで頑張ろうぜとなったタイミングでHideyoshiが「そろそろAsiffくんもこっちでやったほうがいいんじゃない」と声かけて、そのまま入ってもらって。DJ2人は、メインDJNORIOがプロデューサーもやりたいということで「弟子を入れたい」と言いはじめて(笑)。連れてきたのがその2人だったんだよね。結局俺の方が面倒みてるけど。

 

 

レイ:NORIOも面白いね。

 

DALUNORIOは面白いけど面白くない(笑)。声がデカい。

 

レイ:ラッパーよりも前に行こうとするよね。

 

DALU:ラッパーが歌い終わった瞬間にNORIOが「うわー!」みたいに叫んじゃうわけよ。全部かき消されちゃうから。そういうのもNORIOのよさだし、NORIOがプロデューサーやりたくてDJ2人を連れてきたことで、結果俺もアルバム出せて、レントと一緒に全国回れてるから。

 

レイ:NORIOはラップもするし、後ろにいるだけの人間じゃなくない?

 

DALU:バレた?(笑)。いやあ、そうなんよ。いい意味で迷走しているんだと思う。あいつはレゲエとかも好きだからさ。レゲエ界でDJって言ったら前に出て歌う人のことだし。いい意味でクロスオーバーしてるよね。行き来しているんだと思う。DJブースとステージを(笑)。あいつが一番アーティスト。

 

 

「マジで愛している」シャウトアウトFoux

 

レイ:今後の展望とかリリース予定とかはありますか?

 

DALU:最近アルバムをリリースしたばかりだけど、アルバムと別でシングルもリリースされていて。ツアーが終わるころにはまたワンマンがやれるかもしれないから、そこまでは走り切るつもり。TYVとしても作品は作りはじめてて、俺のソロも次のEPの制作がほとんど終わって秋ぐらいにリリースする予定です。プロデューサーはFouxで。

 

レイ:日本でFouxレベルのプロデューサーって本当に少ないじゃん。

 

DALU:少ない! 普通に飲みに行ったりする仲だったけど、ビートを聴かせてもらって「あ、もう一緒にアルバム作ろう」となってファーストアルバムをマジで2か月ぐらいで仕上げて。そこからの最近出したセカンドアルバムに1年半かかっているからね。

 

レイ:1年半か。

 

DALU:だけどそれぐらい彼のすごさは、痛感しすぎちゃったというか。彼はいま日本でいい感じに曲作れているからさ、それが一番よかったかなって話。

 

レイ:能力に対してあまり日本では認知されてない感じもするよね。

 

DALU:それがある種スターっぽいんだよね。いい意味でスキルがいきすぎちゃって。だからこそ俺らとか前に立つ歌い手、インフルエンスする人間がやっぱり天才をプッシュしていくべきだと思うし。

 

レイ:そうだね。

 

 

DALU:それでバランスとれるかなっていう感じ。FouxFouxでもちろん、もっといきたいからこそ、俺らとかいろいろなアーティストと曲をメイクしてるわけじゃん。いっても、そもそも彼のほうがすごいんですけどね(笑)。

 

レイ:すごいよね(笑)。本当にヤバい。

 

DALU:彼は最高のプロデューサーだし、マジ俺の人生を変えたプロデューサーなので。シャウトアウトFoux! アイラブユー! マジで愛しているぜ。彼がいなかったら俺の食生活も変わってない(笑)。

 

▼DALUのインタビュー動画はこちら!

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