「自分の軸となる、土台となるものがしっかりしていれば」|今井華 インタビュー#4
「Project2」のテーマである“Healthy Junk”の精神をもとに、ゲストに潜む相対する中身、二面性にフィーチャーしていく特別インタビュー。今回のゲストは、ギャル雑誌『egg』の専属モデルとしてデビューし、『テラスハウス』(フジテレビ系列)などの番組に出演、アパレルブランドをプロデュースするなど、多彩な活躍を見せてくれる今井華。
自らも「ペスカタリアン」として知られ、今回実現した「2foods(トゥーフーズ)」が「カゴメ株式会社」と共同開発したレトルトタイプのプラントベースエッグ「Ever Egg(エバーエッグ)」と、ギャル雑誌『egg』とのコラボレーションでは、現役eggモデルのみりちゃむ、まぁみとともに、特別号『Ever egg』の表紙を飾り、Z世代へSDGsやプラントベースフードをギャル流に身近に伝えてくれた。
プラントベースフードに対する熱い想いを語ってくれたパート3に続き、今回はカリスマギャルとしてデビューしてから12年。30歳をむかえた彼女のファッションや美容に対する考え方、プライベートな部分に迫る。
「創造性が膨らむアイテムが好き」
――ファッションのこだわりはありますか?
今井:こだわりというものは特になくて、それは『egg』のときからずっとないんです。自分の好きなものを好きなように着るという感じです。
――楽しんでいろいろ好きなものを着るんですね。
今井:そうなんですよ。ギャルだからすごくこだわりがあるんじゃないかと思われがちなんですけど。逆に言ったら、私はいま何が流行っているのかまったく知らないです。メイクなんか特にですね。いま何がトレンドなのか見ないです。ショーウィンドウやファッションウイークを見て「今年はこんな感じなんだ」というのは一応気にはしますけど、全然違うところで買ったりするので。今年のが好きじゃなかったら、昔のやつを手に入れたくて買ったりもするぐらい。最新というものではなくて、自分がいかに好きであるか、これをどう着たいかという創造性が膨らむもののほうが私は好きなので、先端は追いかけないです。
――昔からそうなんですか?
今井:けっこうそうですね。全然気にしていなかったと思います。
――好きなスタイルとかはありますか?
今井:好きなスタイルもないかな。パンツスタイルもスカートスタイルもなんでも着ますね。すっごい甘々、ブリブリもたまに着たりしますし。
――え!?
今井:真っ黒な男の子みたいな恰好もしますし、ファッションにおいてはまったく軸はないです(笑)。お洋服を作ったりもしてましたけど、お洋服を作っているころのほうが軸があったかもしれないですね。やめたら「もっと自由であるべきだ」って思って。やっていると、そのルールに合わせて進まなきゃいけないという、当たり前のようにつきまとうプレッシャーとかがあると思うんです。それはどんな仕事をするにおいてもいいことでもあると思うんですけど、やっぱりもっと自由であるべきだなというのは年々すごく思ってきていて。なにが正解というのは本当にないなということを体験しているし、なにもしていないときのほうが自由なんです。当たり前かもしれないですけど、ファッションとかは自由であるべきだなと思うので。自分がアパレルブランドをやったというのはひとつの経験としてよかったなと思いますけど、やめて正解だったなとも思います。
――ファッションについてサステナブルは意識しますか?
特にサステナブルであることを意識した生活はしていなくて、しいて言うなら着なくなった洋服をファンの子たちだったり友だちに譲る感じです。
――ファンの方はメチャクチャうれしいですね。
今井:本当に年に何回かとかになっちゃうんですけど、ダンボールとかでファンの子たちに送り付けます。
――着なくなったものだけど、せっかくだったら。
今井:そうなんですよ。ファンの子たちに譲ると大切にされるんです。意識的な問題だと思うんですけど、欲しいかどうかわからないけど手に入れた物は大体大切にされなくて。どんなものであれ、長年ファンでいてくれる子たちにあげるほうが、二次利用、もしくは三次利用までいってくれるんじゃないかなっていう、ちょっとした期待も込めてですけど(笑)。
――絶対大切に着てくれていますよ。
今井:だといいなと思いますね。
30歳を節目に美容に対する意識が変化
――コスメにこだわりはありますか?
今井:こだわりはまったくないです。本当になくて、何年も使っている化粧品もあるぐらい。
――基礎化粧品も?
今井:基礎化粧品は美容法というジャンルになると思いますが、そればかりはここ数年メチャクチャいろいろ変えてます。やっぱり土台である素肌は、どうしたって老化が止まらないので、美容法だけは年々グレードアップさせていて、30歳を節目に医療美容に取り組んでいたり。自分と毎日対峙していると、いまではなくて5年後10年後に自分がどうなっているのかという先読みの力が身に付くと思うんです。自分と対峙していて、これは多分5年後10年後はダメだと思って、医療の力を借りつつ進んでいくべきかなと。老化というのは必ずつきまとうものなので、なだらかに老化していく自分とどう付き合っていくかだと思っていて、フェイシャルエステ、医療美容、トレーニング、運動、そういうのは年々力を入れています。逆に着飾るほうのお洋服、コスメとか、外側から影響を受けたり見られるものに対してはまったく力が入ってないですね。
――では、いまは食べるものだったり、ベースの部分にこだわりが?
今井:そうです。内なるものに対して力を注ぐ、お金をかけるとか、そういうことのほうが年々大事になってくるんですよね。
――それこそ食事は肌に出てきたりしますよね。
今井:出ますね。食べる物が9割ぐらいを作っているって言うじゃないですか。食事9割:運動1割って。本当にその通りだなと思っていて。どうしたって女性はホルモンバランスの影響で、甘いものが食べたい、辛いものが食べたいとかあると思うんです。でも、良い物を摂っていると、不思議なんですけど、そのアップダウンの波が緩やかになると思うんです。暴飲暴食もしないですし、食べないダイエットもしないですし。行ったり来たりすると、メンタルもズタボロになると思うので、いかに女性は自分のことをなだらかにすることができるかだと思うんです。そういうところで食事はなだらかであるための方法としてすごく大事だと思います。
――なるほど。
今井:これから年齢を重ねるにつれて重点を置くのは、内からの美であったり、食べるものであったりで、そこに惜しまずに費やすことで、自分の将来がもう少し楽に生きられるんじゃないかなと思って完全に切り替えました。前まではコスメやファッションなど、いろいろなものを買って、いろいろなものを無駄にしてきたり、そんなこともあったと思うんですけど、やっぱり選択肢は狭めたほうがいいのかなって。あるのはいいと思うんですけど、必要最低限でいいんですよね。その代わりに、何事においても自分の軸となる、土台となるものがしっかりしていれば。だからいまは、お金をかけるところや努力をするところが20代のころとは真逆になりました。
――30代になって考え方とかも変わってきているんでしょうか?
今井:わりと20代の半ばぐらいから違和感というものは感じていました。だけど周りはそうではないから、悶々とした気持ちで過ごしていた暗黒期みたいな時期もあったんです。だけど、もっと自由でいいんじゃないかと思ったときに、もうなにも怖くなかったです。どんな重い判断でも、スッパリ決めるところはスッパリ決めるんですよね。そういうところは自分のすごく好きなところです。
――ギャルのマインド?
今井:そうです(笑)。大事ですそれは。
次回のパート5では人生の節目を迎えた彼女が今後の目標を教えてくれた。