「もっといろいろな世界に飛び立ちたい」|新しい学校のリーダーズ RIN インタビュー#1
「Project2」のテーマである“Healthy Junk”の精神をもとに、ゲストに潜む相対する中身、二面性にフィーチャーしていく特別インタビュー。今回は「個性や自由ではみ出していく」のキャッチフレーズでもお馴染みの自称“青春日本代表”新しい学校のリーダーズからRINがゲストとして登場。
インタビュアーを務めるのはDJとして音楽フェスやクラブイベントに出演するだけでなく、ファッション・音楽を中心に情報を発信し、同世代への影響力も高い矢部ユウナ。同じ事務所に所属しているというだけでなく、プライベートでも仲がいい二人だからこそ、新しい学校のリーダーズの海外デビューの裏側からプライベートまで、余すところなく語ってくれた。
「お腹の中にいたときからヒップホップがずっと流れている」
矢部:なんかRINちゃんとのこの距離感が不思議。
RIN:ユウナちゃんとは普段からすごく仲よくさせてもらっていて、プライベートでも普通にご飯を食べに行くような仲だったりするので、今日はうれしいです。
矢部:こちらこそありがとうございます。私がインタビュアーとか不安ですけど(笑)。どんどん質問していきますね。まず、「新しい学校のリーダーズ」として活動をはじめたきっかけを教えてください。
RIN:結成のきっかけは、交差点でそれぞれ4方向から歩いてきて4人が集まって、「私たちの時代を作っていかない?」と小指をつないで結成されたという設定で。
矢部:設定で(笑)。
RIN:2015年の結成から8年ほどやらせていただいてます。
矢部:昔からダンスとかをやっていたと思うんだけど、ダンスをはじめたきっかけは?
RIN:父がヒップホップがすごく大好きで、小さいころというよりもお腹の中にいたときから、ヒップホップがずっと流れている環境で育ったんです。
矢部:へー!
RIN:だから、小さいころから大人になったら聴く音楽はヒップホップなんだと思っていて。
矢部:お父さんがそればかり聴いているから。
RIN:「大人が聴く音楽はヒップホップ」という英才教育を受けながら育ってきて。以前にZeebraさんがここでインタビューを受けているのも知っていたから、同じ席でインタビューを受けていると思って、ちょっとドキドキしています。
矢部:私がダンスのヒップホップを知ったのは、小学校のときにキッズダンサーだったRINちゃんがきっかけで。RINちゃんのお母さんのブログを毎日読んでました。
RIN:実は、あのブログはお母さんが書くときもあったけど、私が書くときもあって。
矢部:え!? RINちゃんも書いていたんだ。
RIN:小学生のキッズダンサー時代にブログとかをやっていて、コンテストに出たり、キッズダンス雑誌に出させてもらっていた時期があって。そのときにユウナちゃんが見てくれていたという……。
矢部:大ファンだったんです。本当にRINちゃんが大好きで、あのころからRINちゃんの服装とかチェックしてたし。だから同じ事務所になったとき、「観てました」って一番に声をかけに行きました(笑)。
RIN:言ってくれたもんね(笑)。そういう感じでヒップホップが好きで、ダンスもずっと続けていて、ファッションも小さいころからすごい好きで。ダンスは自分にとってはなくてはならないものだったんだろうなと、21年間生きてきたなかで思います。
海外に行くべくして生まれた「新しい学校のリーダーズ」
矢部:海外デビューをきっかけに、いま国内で話題沸騰中の「新しい学校のリーダーズ」ですが、そこに至るまでの経緯は?
RIN:私たちはずっと日本国内でしか活動をしていなくて、日本のなかでもまだまだ無名な状態で。とにかくいろいろな会場でライブをしまくるのを続けていたなかで、あるとき『恋ゲバ』という曲をパフォーマンスしたのを観てくださった女性に「あなたたち、海外行ったことないの?」と聞かれて、「ないです。海外なんてまだ……」みたいな感じだったんですけど、「絶対に行ったほうがいいよ!」と言ってくださって。その女性がいま所属している「88rising」の代表ショーン・ミヤシロに「この子たちイケてない?」って動画を見せてくれて、そうしたら「いいね!」って感じで海外デビューが決まって。
(編集部註:「88rising」はアメリカを拠点にアジアのカルチャーシーンを世界中に発信する音楽レーベル兼メディアプラットフォーム)
矢部:すごい!
RIN:それがちょうどコロナ禍のタイミングだったから、アメリカに行けないし、はじめてショーンと会話をしたのもZoomのなかでだったし。「私たちって本当に海外デビューするのかな?」みたいな感じだったんですけど、その1年後にようやく自分たちの足でアメリカに行くことができて、ショーンに直接あいさつして楽曲も作って。ようやく海外に足を踏み入れたんだなという実感がわいてきた感じで。
矢部:向こうでのライブをきっかけに世界が変わったというか、反響はありました?
RIN:それまでもTikTokだったりSNSとかで海外の方からコメントはよくいただいていたんですけど、コメントって実際にはどのくらいリアルなのかってあまり体感できないものだから、「本当にライブ会場に私たちのファンはいるのか?」とか思ったりしてて。でも、去年の夏にアメリカではじめてワンマンライブをしたとき、お客さんは満員で。
矢部:へー!
RIN:アメリカだけじゃなくて、去年はフィリピンとインドネシアにも行ったんだけど、「新しい学校!!」って盛り上がってくれているお客さんがいっぱいいて。もっといろいろな世界に飛び立ちたいと思いました。
矢部:一番はじめから制服着ているよね?
RIN:そう、結成当初からずっとセーラー服を着させていただいていまして。この強そうな腕章と、ひざ丈のスカートと、「学校で校則は守るけど、唯一自由にできるのは靴下だよね」というので、この靴下を履いて。自称“青春日本代表”でやらせていただいています。
矢部:「THE 世界に行きます」という衣装だよね。
RIN:はじめは全然そんなことは意識していなくて。結成当初は4人とも中高生で、リアルな等身大の姿を表現するためにセーラー服を着ていたんですけど、海外に行くというお話をいただいて、「セーラー服ってフロムジャパンにぴったりな衣装じゃん」ということに気がついて。しかも海外だと日本ってアニメカルチャーがすごく人気だから、「漫画とかアニメから飛び出してきたみたい」という風に、キャラクターみたいに観てもらえることも多くて、日本にいるときよりもポップな感じで観てもらえているかなと思います。
矢部:海外に行くべくして生まれたアーティストですね。
次回はRINが食事のときに大切にしていることを語ってもらう。
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