「大好きな書道と大好きなカルチャーをくっつけたら……」|書道家・万美 インタビュー#1
「Project2」のテーマである“Healthy Junk”の精神をもとに、ゲストに潜む相対する中身、二面性にフィーチャーしていく特別インタビュー。
今回のゲストは、古典に立脚した書道と、自身の愛する文化や経験を見事に融合させ、唯一無二の作品を表現し続ける書道家の万美。ヒップホップをはじめとするストリートカルチャーに大きな影響を受けたという彼女に、書道家としてのチャンスをつかんだきっかけや将来の野望について語ってもらった。
「2foods 渋谷ロフト店」が提供してくれた「エバーエッグオムライス(プラントベースデミグラスソース)」を味わい、「メッチャおいしいし、普通に玉子」と笑顔を見せてくれたところでインタビューをスタート。
自分の手でつかみ取った書道家としての第一歩
―自己紹介とご自身の活動についてお願い致します。
万美:私は古典的・伝統的な書道の勉強をしてきたのですが、そういった伝統的な「トラディショナル書道」をやりつつ、ヒップホップなどのストリートカルチャーが好きというのもあって。「大好きな書道と大好きなカルチャーをくっつけたら面白くない?」みたいな感じで自己表現をしています。個展とかパフォーマンス、題字制作などをやらせてもらっています。海外とか知らない世界に行くのがすごく好きなので、パフォーマンスを通していろいろな方々と出会うのが楽しいなと思ってやっています。
―もともとヒップホップが好きだったとのことで、どういった経緯でコラボレーションされたのでしょうか?
万美:クラブでいろいろなDJやラッパーのライブを観ることがすごく好きで、そこで仲よくなった方々に書道の文字を提供させていただくことがけっこう多いです。一番最初はULTRA-VYBE, INC.という日本語ラップなどを取り扱っているレコード会社に「私は書道家でヒップホップがすごく好きです。書道とラップはすごく合うと思うので、題字など書けるアーティストがいらしたらよろしくお願いします」みたいなメールを送って、書かせていただきました。
―自分からメールを送って?
万美:そうです。19歳のときに「なんかタイトルとか書きたい」みたいなことをお願いしたというのがきっかけでした。19歳とかで、メールのノリも多分すごく砕けていたと思うんですけど、そこに大人がちゃんと返事してくれたというのが自分のなかですごく大きくて。「自分でもこういうチャンスがつかめるんだ」という自信にもなったし、それが完全に一歩目なので、いまもありがたいなと思っています。
―これまでにさまざまなアーティストとコラボしてきて、印象的だったことはありますか?
万美:いっぱいありますね。Awichさんとかは本当にメチャクチャ大好きで、2020年に発売の『孔雀』というアルバムの題字を書かせていただいたんですけど、依頼のメールが来た時は家で1人で飛び跳ねて喜ぶぐらいうれしかったです(笑)。あとはDJ KRUSHさんのときは「レジェンドすぎる、大御所すぎる、普通に国宝みたいな感じだし、自分なんかが書かせていただいていいの?」みたいな気持ちで、すっごい緊張した記憶があります。
―自分からメールしたことがきっかけに、とんとん拍子でいろいろな方とご一緒させていただける機会をつかみ取ったんですね。
万美:そうですね。確かに。ありがたいきっかけでした。
次回は書道という伝統的なカルチャーに新しいアプローチを試みたきっかけや、今後の野望について語ってもらう。
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