【前編】「見ている人に感動を与えられるダンスを」ダンススタジアムで日本一に輝いた帝塚山学院高校ダンス部に聞く、自分たちらしさの原動力になるエナジー
今夏、プラントベースフードブランド「2foods」から発売された次世代型プラントベースプロテイン「2Protein(トゥープロテイン)」は、日本最大の出場校・動員を誇る、高校ダンス部の日本一を決める大会「第16回 日本高校ダンス部選手権 ダンススタジアム」に協賛しています。
全国から集まった高校生たちが日ごろの練習の成果を発揮し、素晴らしいパフォーマンスを披露した今大会のビッグクラス部門では「帝塚山学院高校 ダンス部」が見事に日本一の称号を勝ち取りました。優勝の副賞として、2foodsのサブブランドである2 Seriesから、「2Protein」とプラントベースエナジードリンク「2Energy(トゥーエナジー)」を贈呈しました。
2Energyは、「わたしたちのエナジーは、もっと自由で、わがままだ。」というメッセージのもと、「自分らしさ」を後押しするエナジードリンクです。そこで、独創的で人々を魅了する作品を生み出し続ける帝塚山学院高校ダンス部と「2Energy」でコラボレーション。ダンス部3年の、長谷部雛乃さん、千葉美優さん、柏原柚那さん、そして顧問の山浦真由美先生にお話を伺いました。
前編では、日本一になった際の心境や、帝塚山学院高校ダンス部“らしい”テーマの背景に迫ります。
指先にまでこだわって勝ち取った日本一
――まずは、ダンススタジアム(第16回 日本高校ダンス部選手権 夏の公式全国大会)
のビッグクラスでの優勝おめでとうございます。振り付けだけでなく、衣装やメイクも含めて素晴らしく、みなさんの一体感に驚かされました。全国大会は特別なステージだと思いますが、参加してみていかがでしたか?
長谷部:本番は本当にドキドキしましたが、いざ舞台に立ってみると、この夏に頑張ってきたことが全部発揮できたと思うので、とても楽しい舞台でした。高校1年生の時から目指していた舞台で、日本一を取った瞬間はうれしさだけでなく、達成感もありましたし、これまでの記憶が押し寄せてきて、涙が止まらないぐらい本当に幸せな時間でした。
千葉:私たち3年生の代はこれまで小規模な大会から今回のような大規模な大会まで出場してきましたが、あまりいい結果を残せなかったことが多くて。だから、まさか私たちの学年が一位を取れるなんて思ってなくて、とても嬉しかったのと同時に、驚きも大きかったです。舞台上での演技はいつも一瞬で、本番のことは正直覚えていないぐらいなのですが、いい経験になりました。
柏原:私は今回の大会は客席から観ていたのですが、作品や衣装を客観的に観るのは初めてだったので、「こんな作品やったんやな」と感動しました。
(左)長谷部さん(中央)千葉さん(右)柏原さん
――パフォーマンスを拝見して、「地球温暖化」というテーマでの独創的なダンスが印象的だったのですが、今回のテーマを表現するためにこだわったことや工夫はありますか?
千葉:地球の温度がプラス0.8度上がるだけで、最大30%の生き物たちが絶滅すると言われています。今回のダンスでは、その生き物たちの声なき魂の叫びを表現しました。特にスタートは印象的で、みんなのスカートを引っ張り合って氷河をイメージし、それが徐々に崩れて溶けていくような様子を表現しています。練習の時には、そういった情景の写真などを壁に貼って、「このシークエンスはこの写真のように」と意識するようにしていました。本番でもその写真を思い浮かべて踊っています。
千葉:あとは、指先の形を少し変えるだけで生き物、獣の表現が変わるので、指先一つひとつまでこだわりました。また、最後の決めポーズの時に「生きる!」と全員で叫ぶのですが、心の底から獣になりきって声を出していて、その時も指の先まで集中して表現をしています。
柏原:本番ではラストしか声を出していないのですが、練習中はいろんな場面で「ここはこうやって声を出そう」とみんなで決めていて。例えば、リフトで上に上がっている人が下で支える人を抑圧するイメージのリフトがあるのですが、そこでは上の人がその気持ちを叫んだり、ラストのスカートを手に持ちながらもがく「慟哭」といわれるシーンではみんな叫びながら練習していました。声を出して練習しているうちに、どんどん獣の気持ちに近づいていけたような気がします。
すべての人の心に響くようなダンスをするために
――すごいですね。練習の様子からもみなさんの本気が伝わってくる気がします。今回はどうして「地球温暖化」をテーマに選ばれたのですか?
長谷部:私たちのダンスのジャンルは創作ダンスというのですが、この創作ダンスが感情を一番出せると考えていて。ストリートやヒップホップなど様々なジャンルがありますが、他のジャンルのダンスでは表せない、見ている人に感動を与えるダンスが創作ダンスではできると思っています。
千葉:そんな作品を作るために、テーマを決めるのはいつも全学年全員が集まって話し合って、長い時間かけて決めています。今回は3年生の中から出た「地球温暖化を表現したい」から始まりました。話し合いを重ねていくうちに、初めはみんな全然違うことを言っていたりするのですが、「伝えたい本質はなんだろう」と話し合って伝えたい欠片を集めて、一番みんなが納得できる内容に着地しました。あと、個人的には3年生らしい作品というか、この代でしか表現できないものにしたいと思っていて。私たちの学年は個性的な人たちがたくさん集まっているし、たまに少しうるさくなったりするんですけど、そういうところも獣っぽいなと思っています(笑)。
山浦先生:顧問から見たときに、今の世の中を生きる自分たちが肌で感じているものや壮大さを伝えたいという思いは生徒の中で共通していたように思います。その中でテーマの候補としては授業でも取り上げられていた地球環境に関する問題が多く上がっており、ディスカッションを重ねるうちに、身体表現で伝えるのであれば、地球温暖化の問題を表現したいという思いに繋がっていったように思います。あとは絵を見たのも大きかったですね。
柏原:衣装のスカートの裏に画家の佐々木香菜子さん絵を使わせていただいたのですが、佐々木さんの個展に行って、初めてあの青い絵を見たときに感じたものが3年生の中で一致して。青い絵が海に見えたり、地球に見えたり、様々な「自然」を感じたので、全員で今回はその「自然」にフォーカスを当てようと決めました。
山浦先生:こうやって彼女たち自身がテーマを決めて取り組むのが帝塚山学院の創作ダンスのカラーだと思います。彼女たちは高校生というフレッシュな、一番エネルギーがある時に命をかけてダンスに取り組みます。夏休みという遊んでもいい時間の中で、遊びではなく高校球児で言うと甲子園目指すような熱量を持ってダンスに取り組んでいて。だからこそ歴史に刻まれるような、人の心を深くえぐるような……そういう作品に取り組むことで、一人ひとりに残るものが大きいのではないかと考えていて。彼女たちと一夏をかけ、魂を込めて作品を作るのであれば、ダンスで本当に何かを訴えられるものにしたいというのが毎年作品作りの根っこにありますね。
【後編】へ続く
後編ではクラブへの想い、彼女たちを支えるエナジーについてお話を伺います。